ゴムボート

水木しげる

理性の力 ぴえん

いまさらだがぴえんって立派な言葉やと思う。

ぴえんが使われる(報告される)現場が愛おしい

ぴえんが放たれた現場がおよそぴえんらしさとはかけ離れたありさまなのは、ぴえん発信者がその非対称性が極端であればあるほどおもしろいと理解しているためだと私は予想してるが、それとは別にぴえんが素晴らしきなのは、

ぴえん者(ぴえんしゃ『ぴえんを常用している者』)がまるでぴえんでは収まりきらないであろう事態を、あえてぴえんと表し矮小化させることで自分を救済しているところですよ。自分で自分に余裕を与えているのです。「ぴえん」という感情を主体的に選択することでいっときのプリミティブな感情と混ざらず、事態を二三歩引いた位置から対象化するってねえ、これってもう涅槃なんですよ。賞味期限も長くなさそうな気もするし日常で一度も発声したことないぴえんですが、大層な出来事に見舞われた際や、嫌なことを思い出したとき、心のなかで唱えていきたいもんですね。

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さようなら