ゴムボート

水木しげる

病院

耳鼻科とか皮膚科とか歯医者もそーだが、来院時に受付で診察券と保険証渡して席に座り、呼ばれるのを待つ、ほんで呼ばれたら診療してもらい、いろいろ診てもらい終わり、最初の待合室にもどり、まだ金を支払ってないので呼ばれるまで座って待つ、って流れを当たり前にやってるが、おれはこれをいつ覚えたのだろうかこれをできてるって非常に立派で賢いなとおもう。

だって診療を終えたらそのまま真っ直ぐ受付までいってサイフをガサゴソしていまいそうなところなのになぜか空いてる席について、また名前が呼ばれるのだろうと予感している。

あと当たり前にみたい処方箋ってのをもらって、この建物とは別の、錠剤ばかりがある白くてちいさな小屋に向かい、さっきもらってきた処方箋ってのを渡して、(保険証もまた渡さないといけない)錠剤をもらうっていう難しいことをいとも簡単にやってるが、これもいつ覚えたのか思い出せない。県外の人間に厳しい香川のセルフうどん屋ぐらい説明が足りてないのにいつ学んだのだろう。

あと当たり前にみたいにお薬手帳お作りしますか?って訊かれるけど、お薬手帳がなんてもん知らねーから作ったことがない。おれがメガネをかけてて、ボタンもちゃんと一番上まで留めてるから賢そうに見えていろんな説明を省きたくなるのはわかるけどよ、さすがのおれもお薬手帳なんてしらねーよ。あと芸人がよく使う「風俗の待合室みたい」って例えも風俗なる店舗に行ったことないから知らねーよ

 

さようなら