ゴムボート

水木しげる

雑談

中学生時、同じ剣道部の岩井と日曜に竹刀を買いに行く約束をした。剣道具を売ってる店ってのは隣の市にしかなかったので岩井の母が車を出してくれた。

踏切で止まって、カンカンカンカン音がしてるとき岩井と岩井の母は、電車が右からくるか左からくるかではしゃいでいて、おれはその光景を見た時かなり衝撃的だった。

衝撃的だったので、月曜日に学校でみんなにそういうことがあったと言いふらした。それを聞かされた数名全員ポカーンだった。全員そんなんフツーのことやろ、とのことだった。そのリアクションを受けておれはさらに衝撃だった。だって親とかかわるときって、友達みたいにクイズを出し合ったり、なにかしら雑談をするものではないと思っていたから。学校が親に必ず渡せと言ってきたプリントを渡すときの業務的なやりとりとしての会話はやったことがあるが、両親と何かおもしろいことをやったり、話したりした記憶が一切ない。

DPZ古賀さんのエッセイ二冊ともおもしろすぎるけど読むたびに、まじで?って思うし読むたび岩井と岩井の母が電車が右からくるか左からくるかのクイズの光景を思い出すし古賀さんから産まれたかった

 

さようなら