ゴムボート

水木しげる

断食

なにやら断食をすると集中力が増して賢くなってお肌もきれいになって痩せて腰痛も治って食費もないから金も貯まって万事がOKになるらしいので水しか飲まない断食を5日間やった一日目は余裕だった。二日目の朝、腹が非常にヘッていた。飯のことしか考えられない。2時間しか眠れない。飯以外考えれない。二日目の夜が空腹のピークで三日目の昼ぐらいまでずっと胃と心臓のあたりが痛かった。飯のことしか考えられない。三日目の晩ぐらいからは空腹を感じない状態に至ったのだが4時間しか眠れなかった。このころ明らかに頬がこけた。もともと2分しか持たない集中力が15分まで持つようなった気がする。ついでに耳鳴りも無くなってほしいが鳴ってる。四日目も別に空腹を感じないが腹はたまに大きくなる。ほんでしんどい、椅子から立つのも歯を磨く時の腕をふる動作ですらしんどい。五日目、空腹を感じない。余裕。だが自分が賢くなった自覚はない。六日目、このまま一ヶ月食わずにいけるんちゃううんか?ってぐらい何も食べたいと思わない、というより不純物をこのさらぴんになったボディーにあえて注入などしたくないって気持ちに近い。せっかく頑張って部屋を片付けたのにまた散らかしくないその気持ちが逆に恐ろしくなって、空腹の自覚がないままポックリ急死したら怖いなということで、嫌なのだが袋麺一個食べる。それだけで、お腹いっぱいになる。七日目、空腹を感じないが一応急死死されたら困るということでパンを一個食う。それでその一日事足りた。

結果一日一食で生きれる人間にいまのところだけかもしれないがなってる。

しかし痩せたかもしれないが賢くなれた憶えがない。

浮いた食費分、いらないのだがUSBに繋げれるLED電灯などを買ってしまったり、ゲームを買ったり、猫に高価な飯を買ったりしてしまった。ユーチューブのとある断食動画で、断食3日めから世界が輝いて見えるとぬかしていた人がいた、私もそれをまんまと期待したが、世界は若干気温がぬるくなっただけだった。

 

さようなら