ゴムボート

水木しげる

海外のドッキリ

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痛めつけられたという実際的被害も無くなったみたいに・・・なんてすごいんだカメラのちからって。

バーガーキングでいじめっ子にいじめられてる子(両者とも役者)をまわりの客らはどのように眼差し、どう行動を起こすかみたいな社会実験まがいのドッキリ動画がある。あれさ各方面への配慮がなさすぎて歯クソにも劣る下痢便ですね。といった批判は散々国内外からいわれてると思うのでもうやってないと願おう。結果的にいじめられっ子を助けた人も損やん、「なーんだこれがドッキリで良かったよ」なんて種明かし時インタビューで言わせてやるな。

自分が正しいと思うことをした客も現場を静観していた客も、できればふつーに飯を喰っていたかっただけなのに急に自分の良心を値踏みしてくるドッキリ、というかむやみな試練をぶつけてきやがって不憫すぎる。おせっかいすぎる。大抵の人はそんなテロ企画にまきこまれる以前から日常生活でさんざっぱら実存的な問いに躓くしぶつかり中だタコが。内省や自己を顧みたことがない人ってのもたまにいるけどね。

そういえば昔どこにいくにも一緒の友人がいてそいつがそうだったね、秋芳洞からの帰りの車内であまりにも話すことがなかったのかそいつが「おまえ死にたいって思ったことあるか?」って訊いてきてぼくは喉元までこみ上げた「マジカ」をとりあえず呑みこんだ。「死にたい」を「眠たい」と同程度の軽やかさで日々頭に飛び交わせてたおれとしてはあまりにもくだらない大愚問すぎて「そんなん当たり前やん」を言ってしまえばそこからが疲れるだろうから「あんたはどうなん?」と聞き返した。「一回だけある」と返ってきて「まじか」をやっと聞こえるようにはじきだした。あんたに生まれたかった。そういう人間も極稀にいるんだね

海外の話で思い出したがね、あきら100パーがR-1優勝後しばらくして裸芸でアメリカに行くそんな企画か自分の意思かわからんがあったよね。ぼくその当時、アメリカのお笑い事情を知らないが、アメリカのお笑い事情を見くびりすぎだろって思った。アメリカはシモネタが好きなイメージがある、ってのはわかるが、シモネタ食傷うんざり勢もむちゃくちゃいるだろうしそもそも笑いのトレンドもうつろうから、そういった裸芸で笑うみたいな段階はとうに越えてるだろって。

急に思い出した全く関係ない話をするがカミナリのあのドツキツッコミを初めてみた時、一発目は笑えるがそれ以降はボケがかわいそうに思えた。ので大好きなえみちゃん(上沼恵美子)がM-1でそれを指摘したとき、おれの違和感は間違ってなかったんだって嬉しくなったがえみちゃんは叩かれてた。かわいそ。

えみちゃん好きが高じてるせいかもしれないが、見取り図に「古い」って言ったのも、批評として間違いではないと思った。だが見取り図を古いと吐き捨てるのであれば、ミキの漫才のほうがだいぶ古いんだからちゃんと「あんたら華はあるけど見取り図より漫才が古い」と言ってあげないといけないよ。

 

 

さようなら