ゴムボート

水木しげる

手錠を黒くする必要

 

警察24時みたいなドキュメント好きなんですけど、記憶に残ってるシーンがあって、現行犯逮捕された犯罪者の両手にかけられようとしている手錠が黒色だったんです。

これは手錠を作る工程にいってるのですが。手錠をつくるにあたりそこに手間注ぐ必要あるのかい?黒色のペンキかなにかでコーティングする事によって金属のささくれを抑える役目があるのかもしれないが、じゃないとしても黒い手錠を見たとき結構カッコイイなって思ったんですよね。かっこいいと思っちゃったそこが問題で、素材そのものの地の色、それなりの拘束力があるだけの金具のまんまでええやん、いい感じの手錠にする必要って無い。どうせ犯罪者にしか嵌めんのに。

 

急にマイブームの話をします。

YouTubeでヤベー奴が駅のホームや電車内でひと暴れする動画を視聴するのが好きなせいか、いつもシャワーを浴びてるときに、電車の中でヤベーやつに絡まれたときのシュミレーションをしています。自分の中でそれが今一番熱いです。しかも毎回絶対おれが別の車両に逃げ込むか、降りたくもない駅で下車し全戦全敗で終わってます。別の車両に逃げ込んだ場合、ヤベー奴も毎回ついてきます。

非は理不尽に絡んできたそのヤベー奴がすべて持っているのですが、こちらがもっともな正論らしいことを言っても、そいつぁヤベー奴なので理屈は通じてないし、ヤベー奴はおれの言明にかぶせてくる感じに大声を出せば論破の大勝利だと思ってるためラリーが成立せず、その場を取り仕切れる公正な審判が居てくれた場合は別として、ヤベー奴に絡まれた時点でこちらの敗北は決定したもので、交通事故と同じなんですが、最近、同じ車両にいるまわりの乗客を味方につければなんとなく切り抜けるかもという方法を試すのが激アツです。全部シュミレーションの話なのですがね。まずヤベー奴からの支離滅裂な罵詈雑言を浴びながらも軽く制しながら、かかっても来てない電話に出るんです。

そこで架空の相手と話している体で「うん、うんうん、はいはい、次の突き当りを左に行ったら良いんですね」って言って電車内の爆笑をかっさらうんです。*未だにこのひとつしか持ってないので、どうにか増やしていきたい。

シュミレーションの度に、周りに座ってる人や吊革につかまってる人たちが少しクスクス笑ってくれるんですが、ヤベー奴はなんといってもヤベー奴なので、おれのスーパーおもしろユーモアを理解できず「テメー何言ってんだ!車じゃねーんだぞ!」ってマジレスポンスをしちゃって、怯まず不死身なんですよ、結局ね。で、おれはイライラしながら降りたくもない駅でまた降りて次の電車を待って、やっと家について、飯食いながらYouTubeを見てたら先程の一悶着の一部始終を撮影していた乗客が早速動画をUPしていて、しかもタイトルが「全車両、全線爆笑、キ◯ガイおじさんをおもしろユーモアで軽くいなした爆笑王」という素晴らしいタイトルを付けてくれていて再生回数も500万こえて急上昇。おれはそこで、勝利したんやねってガッツポーズするんです。

 

 

 

さようなら。