読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ゴムボート

ドデカミン

たけし

書き出し小説勢から忘れられた掲示板、文芸ヌーに去年投稿した所さんが出てくる物語を2つを転載します。これが一番気に入ってるので。 

 

                                                         *

世田谷ウォーキング・デッド

 

世田谷ベースのシャッターは堅牢に閉ざされたままだった。
清水圭はそれでも所ジョージを呼び続けた。
「頼んますわ!所さん!すぐそこまでゾンビ来とるんですわ!」
二階の小窓から、清水圭がゾンビになっていく様子をビートたけしと一緒に見下ろす所さん。シャッターを引っ掻く、かつては清水圭だったゾンビの眉間にダーツの矢を一本打ち込み、所さんはこれからの冬に向けMA-1の改造にとりかかった。

 

世田谷ウォーキング・デッドシーズン2

 

「アアアアアアア」とか「オオオオオ」しか発声できないゾンビ喉になり、見た目もゾンビになった清水圭だが、精神はゾンビに明け渡していなかった。
その醜い呻きに微かな関西訛りが入ってるのを、小窓越しのビートたけしは聞いた。
「なあ、あいつまだ人の尊厳みてえなのにしがみついてるよ」
所さんはMA-1にしこたまアップリケを貼り付けながら「あっそ」とビートたけしに返事した。
「アアアアアアア(大御所ともなればワイプで抜かれとっても頬杖崩さんし、ニヤケもせんでええから羨ましかったわ)」さながらワイプとも言える小窓から見下ろすビートたけしを見上げながら、ゾンビ清水圭はゾンビになったのをいいことに、ビートたけしへの愚痴を吐いた。奇跡体験アンビリーバボーを思い出していたのだ。
するとそのとき、世田谷ベースのシャッターが音を立てながら5センチほど開いた、と思えばまた閉まった、そしてまた5センチほど開いた途端に閉まった。それを何度か繰り返されながら、ゾンビ清水圭は、これは、所さんが得意とする、遊び心か?だとしたら笑われへんでと呻いた。ワイプ越しのビートたけしが笑っている。

                                                      *

 

これ勘違いしてたんですけどアンビリバボーでのビートたけしは、最初のVTR紹介みたいなところで一瞬でてくるだけで、VTRを観てる所をワイプで抜かれるってことはない。たぶん世界まる見えとゴッチャになってた。

さようなら

 

 

 

広告を非表示にする