ゴムボート

ドデカミン

「自己完結」見つけてますか?

皆さん、

これ、見つけてますか?

これです、見つけてますか?

そうです。この輪っかです。自転車のやつです。

柵しか掴んでいないワイヤーロック。

誰しも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

自転車、バイクの盗難予防が出来ずに、最寄りの防護柵、欄干、フェンスにただただぶら下がっているだけの輪っかの鍵です。

この悲哀に満ちた佇まい。 

このように、自転車、バイクに巻き付けず置き去りを喰らい、悲哀、憂いを放つワイヤーロック、チェーンロック、U字ロック類の虚しい状態を総して

「自己完結」

と僕は呼称しています。「自己完結」以外の命名候補には・・・

ウロボロス」というのも挙がっていたのですが、意味を調べると、<自らを自らで賄うその姿形から死と再生、永劫回帰などの象徴・・・>などの文字が現れたので、さすがにこれはおこがましい、いけ好かねえということで「ウロボロス」は落選。

 

やはり、にじみ出るその悲哀、憂いを手がかりに・・・

「自己完結」がいいですね。

かねてより僕はこの「自己完結」らにシンパシーを感じていました。僕が所有しているわけでもなければ、自身の形状が輪っかでもないのにです。

認めたくはないですが『自己完結』は、ひとりよがりが得意な僕自身と似てしまっているのです。だから一方的にシンパシーを感じていたのでしょう。

一応の拠点らしきものに依拠し続け、数多の関わりから身を置き、車輪も掴まずただの悪循環の輪に成り果てている・・・。

こりゃあ、まさに自分じゃあないですか

ただの輪っかの鍵を、外出の度に血眼で探すのは、こんなナルシズムにも似た自己投影からでしょうか?

僕は自分に似たものを探し、見つけては戒めを乞うているのでしょうか?

「またお前、自己完結になってるんじゃないのか?」

「おい、おれみてぇにひとりよがりになってるぞ!」

「世捨て人気取ってんのかよタコ

「認められていないのを孤高だと勘違いワロタwww」

と、大声で諭し、叱咤してくれる「自己完結」(輪っかの鍵)を探すため、日夜徘徊を繰り返す事になってしまえば、それはとてもアカン状態なので、自己投影もほどほどにしておいたほうがいいですね。

 

僕は現段階「自己完結」を超暫定的に三つのタイプに分類しています。今後も分類は増える可能性もありますが、まずはそのひとつを紹介します。

これは「待機タイプ」です。

これまで上記に載せた「自己完結」の写真はすべてこれに該当しています。

「待機タイプ」の特徴は、誤解を受けやすいがやればできる奴。です。

上の写真、一見するとただのU字ロックが「自己完結」をやってる姿に見えなくもないですが、これは撮影をした時間帯が施錠中ではなかったというだけで、自転車またはバイクのオーナーの帰りを待っている状態なのです。いわばウォーミングアップをしている真面目な姿を撮ったものです。

地から生えている植物や人工物に掴まっている「自己完結」の殆どは「待機タイプ」といって差し支えないでしょう。「自己完結」の中でも一番遭遇率が高いのが「待機タイプ」です。

続いてのタイプは・・・

このピンクが鮮やかなダイヤル式ロック。先ほどと同じくオーナーの帰りを待ちわびる「待機タイプ」に見えますが、

「錠前タイプ」です。

「錠前タイプ」の特徴は、不遇のポーカーフェイス。です。

このダイヤル式ロックは本来、自転車またはバイクの施錠をせよとの命を受けこの俗世に遣わされたに関わらず、俗人の素っ頓狂な意向により門の錠前として応用させられている悲劇の鍵です。

しかし殊勝な「錠前タイプ」。溜め込んだその不本意を顔にも出さず、これでもかというほどに門をびったしに閉め、黙々とセキュリティーの維持に努めています。健気な奴です。

これは「錠前タイプ」が施錠をサボっている決定的瞬間をとらえたものです。

 

では最後のタイプ、一番遭遇率が低いといわれ、「自己完結」オブ「自己完結」と謳われている、そう・・・

「純粋自己完結タイプ」

「待機タイプ」のように防護柵、欄干、フェンスに掴まることが出来ておらず、持ち主からも解き放たれており、この野ざらしの状態。これこそ完全なる・・・

「純粋自己完結タイプ」です。

「純粋自己完結タイプ」の特徴は、愚者も高じりゃ賢者に見える。です。

これぞ「自己完結」の中の「自己完結」

佇まいは勿論、意味としての「自己完結」をも達成しています。

この「純粋自己完結タイプ」に限っては、かつて命名候補としてあがっていたウロボロス」という呼称を適用させてもいいのでは!?とさえ思います。それほどこの「純粋自己完結タイプ」はくっきりとした存在感を放っています。

しかし「純粋自己完結タイプ」は長ったらしいし、堅っ苦しいので短い別名に変更しましょうか、う~むそうだなあ・・・

・・・・!? そうだあ!!!思いついたぞ!!!

「ゴミタイプ」それか「不法投棄タイプ」だあ!!!

 

!!?

!!?

「おい!誰だ!!こんなところに輪っかの鍵捨てたのは!!!この街のモラルどうなってんだ!!!」


STOP不法投棄!!!


不法投棄ダメゼッタイ!!!

 

 

警告と嘆きついでに、僕の数ある「自己完結」コレクションの中でも特に気に入ってる三つの「自己完結」をしっとり紹介して終わりにしたいと思います。

ではひとつめ

これは両方共に「待機タイプ」です。

片方は電灯の根本で寝そべり、一方は防護柵からぶら下がっています。まるで互いに励まし合ってるかのようで微笑ましいです。

続いては・・

これも「待機タイプ」です。

白いペンキがまばらに剥離した衝立。そこに余計なほど纏わりつくポップな柄の「自己完結」。両者の色合いがマッチしていて面白いです。

 

最後は僕が一番好きな「自己完結」です。

これもまた「待機タイプ」です。

互いが互いの輪をくぐり「自己完結」で収まってしまうことから免れようとした結果、不憫にもそのまま固まってしまった様でとても美しいです。

 

どうでしたか?「自己完結」(不法投棄、不法設置)の数々。目的地までの道のりが退屈なら探してみませんか?猫背で普段からつま先周辺にしか目線を落とさないあなたならきっといい自分だけの「自己完結」(輪っかの鍵)見つかるはずですよ。見つけたらみんなに自慢してやりましょうよ!ね!